認知症治療病棟入院料の施設基準 – 令和6年度診療報酬改定

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告示

十八 認知症治療病棟入院料の施設基準

  1. 通則

    主として急性期の集中的な治療を要する認知症患者を入院させ、精神病棟を単位として行うものであること。

  2. 認知症治療病棟入院料1の施設基準
    1. 当該病棟において、一日に看護を行う看護職員の数は、常時、当該病棟の入院患者の数が二十又はその端数を増すごとに一以上であること。ただし、当該病棟において、一日に看護を行う看護職員の数が本文に規定する数に相当する数以上である場合には、当該病棟における夜勤を行う看護職員の数は、本文の規定にかかわらず、二以上(看護補助者が夜勤を行う場合においては看護職員の数は一以上)であることとする。
    2. 当該病棟において、看護職員の最小必要数の二割以上が看護師であること。
    3. 当該病棟において、一日に看護補助を行う看護補助者の数は、常時、当該病棟の入院患者の数が二十五又はその端数を増すごとに一以上であること。ただし、当該病棟において、一日に看護補助を行う看護補助者が本文に規定する数に相当する数以上である場合には、当該病棟における夜勤を行う看護補助者の数は、本文の規定にかかわらず、二以上(看護職員が夜勤を行う場合においては、二から当該看護職員の数を減じた数以上)であることとする。なお、主として事務的業務を行う看護補助者を含む場合は、一日に事務的業務を行う看護補助者の数は、常時、当該病棟の入院患者の数が二百又はその端数を増すごとに一に相当する数以下であること。
  3. 認知症治療病棟入院料2の施設基準
    1. 当該病棟において、一日に看護を行う看護職員の数は、常時、当該病棟の入院患者の数が三十又はその端数を増すごとに一以上であること。ただし、当該病棟において、一日に看護を行う看護職員の数が本文に規定する数に相当する数以上である場合には、当該病棟における夜勤を行う看護職員の数は、本文の規定にかかわらず、一以上であることとする。
    2. 当該病棟において、看護職員の最小必要数の二割以上が看護師であること。
    3. 当該病棟において、一日に看護補助を行う看護補助者の数は、常時、当該病棟の入院患者の数が二十五又はその端数を増すごとに一に相当する数以上であることとする。なお、主として事務的業務を行う看護補助者を含む場合は、一日に事務的業務を行う看護補助者の数は、常時、当該病棟の入院患者の数が二百又はその端数を増すごとに一に相当する数以下であること。
  4. 認知症夜間対応加算の施設基準
    1. 当該病棟における夜勤を行う看護補助者の数が三以上(看護職員が夜勤を行う場合においては、三から当該看護職員の数を減じた数以上)であること。
    2. 当該保険医療機関において、入院患者に対する行動制限を必要最小限のものとするため、医師、看護師及び精神保健福祉士等で構成された委員会を設置していること。
  5. 認知症治療病棟入院料のの除外薬剤・注射薬

    別表第五の一の二に掲げる薬剤・注射薬

通知

第19 認知症治療病棟入院料

  1. 認知症治療病棟入院料の施設基準等
    1. 精神科を標榜している病院である保険医療機関であること。
    2. 同一保険医療機関内に認知症治療病棟入院料1を算定すべき病棟と認知症治療病棟入院料2を算定すべき病棟が混在することはできない。
    3. 認知症治療病棟入院料1の施設基準
      1. 当該保険医療機関内に、精神科医師及び認知症治療病棟に専従する作業療法士がそれぞれ1人以上勤務していること。
      2. 当該病棟に勤務する看護職員の最小必要数の半数以上は、精神病棟に勤務した経験を有する看護職員であること。
      3. 当該病棟に勤務する看護補助者の最小必要数の半数以上は、精神病棟に勤務した経験を有する看護補助者であること。
      4. 当該保険医療機関内に、専従する精神保健福祉士又は専従する公認心理師がいずれか1人以上勤務していること。
      5. 当該病棟における1看護単位は、概ね40から60床までを上限とすること。
      6. 当該病棟の患者1人当たりの面積は、内法による測定で、18平方メートル(管理部分を除く。)を標準とすること。ただし、平成20年3月31日時点で特殊疾患療養病棟入院料2を算定している病棟から当該病棟へ移行した場合は、当分の間、内法による測定で、16平方メートル(治療室、機能訓練室、浴室、廊下、デイルーム、食堂、面会室、ナースステーション、便所等の面積を含む。)であっても、認めることとする。
      7. 認知症治療病棟入院医療を行うにふさわしいデイルーム等の共有空間がある等高齢者の行動しやすい廊下を有していること。
      8. 認知症治療病棟入院医療を行うにふさわしい、広さ60平方メートル以上(内法による測定に基づく。)の専用の生活機能回復訓練室(平成20年3月31日時点で特殊疾患療養病棟入院料2を算定している病棟から当該病棟へ移行した場合は、当分の間、代用的に生活機能回復訓練等が行える場所(デイルーム等))を有し、当該病棟に入院している全ての患者に対して、次に掲げる生活機能回復訓練等を行うこと。
        1. 医師の指導監督の下で、作業療法士、看護師、精神保健福祉士の従事者により、精神症状等の軽快及び生活機能の回復を目的に看護並びに生活機能回復のための訓練及び指導を集中的に行う。
        2. 医師の診療に基づき心理検査の結果等を踏まえて作成した患者ごとの治療計画に基づき、看護並びに生活機能回復のための訓練及び指導を集中的に行うとともに、定期的にその評価を行う等計画的な治療を行う。
        3. 生活機能回復のための訓練及び指導を、生活機能回復訓練室等において患者1人当たり1日4時間、週5回行う。ただし、当該訓練及び指導は患者の状態に応じて行うものとし、認知症患者リハビリテーション料又は精神科作業療法を算定した場合は、その時間を含めて差し支えない。
    4. 認知症治療病棟入院料2の施設基準
      1. (3)のイからエまでを満たしている。
      2. 当該保険医療機関内に、精神科医師及び認知症治療病棟に専従する作業療法士がそれぞれ1名以上勤務している。ただし、認知症患者の作業療法の経験を有する看護師が1人以上勤務する認知症治療病棟にあっては、作業療法士が週1回以上当該病棟において患者の作業療法についての評価を行う場合には、当分の間、作業療法士が1人以上勤務していることとみなす。なお、作業療法の経験を有する看護師とは、専門機関等が主催する認知症指導に関する所定の研修を修了した者である。この場合、当該看護師は当該入院料を算定する際の看護師の員数には算入しない。
      3. 当該病棟における1看護単位は、概ね60床を上限とする。
      4. 当該病棟の患者1人当たりの面積は、内法による測定で、18平方メートル(管理部分を除く。)以上とする。ただし、平成20年3月31日時点で特殊疾患療養病棟入院料2を算定している病棟から当該病棟へ移行した場合は、当分の間、内法による測定で、16平方メートル(治療室、機能訓練室、浴室、廊下、デイルーム、食堂、面会室、ナースステーション、便所等の面積を含む。)であっても、認めることとする。
      5. 認知症治療病棟入院医療を行うにふさわしい、広さ60平方メートル以上(内法による測定に基づく。)の専用の生活機能回復訓練室(平成20年3月31日時点で特殊疾患療養病棟入院料2を算定している病棟から当該病棟へ移行した場合は、当分の間、代用的に生活機能回復訓練等が行える場所(デイルーム等))を有し、当該病棟に入院している全ての患者に対して、次に掲げる生活機能回復機能訓練等を行うこと。
        1. 医師の指導監督の下で、作業療法士、看護師又は精神保健福祉士の従事者により、精神症状等の軽快及び生活機能の回復を目的に看護並びに生活機能回復のための訓練及び指導を集中的に行う。
        2. 医師の診療に基づき心理検査の結果等を踏まえて作成した患者ごとの治療計画に基づき、看護並びに生活機能回復のための訓練及び指導を集中的に行うとともに、定期的にその評価を行う等計画的な治療を行う。
        3. 生活機能回復のための訓練及び指導を、生活機能回復訓練室等において患者1人当たり1日4時間、週5回行う。ただし、当該訓練及び指導は患者の状態に応じて行うものとし、認知症患者リハビリテーション料又は精神科作業療法を算定した場合は、その時間を含めて差し支えない。
    5. 認知症夜間対応加算の施設基準
      1. 認知症治療病棟入院料1、認知症治療病棟入院料2のいずれの場合も、夜勤を行う看護要員が3名以上の場合に算定できる。
      2. 行動制限最小化に係る委員会において次の活動を行っていること。
        1. 行動制限についての基本的考え方や、やむを得ず行動制限する場合の手順等を盛り込んだ基本指針の整備
        2. 患者の病状、院内における行動制限患者の状況に係るレポートをもとに、月1回程度の病状改善、行動制限の状況の適切性及び行動制限最小化のための検討会議の開催
        3. 当該保険医療機関における精神科診療に携わる職員全てを対象とした、精神保健福祉法、隔離拘束の早期解除及び危機予防のための介入技術等に関する研修会の年2回程度の実施
    6. (3)及び(4)の内法の規定の適用については、平成26年3月31日において、現に当該入院料の届出を行っている保険医療機関については、当該病棟の増築又は全面的な改築を行う までの間は、(3)及び(4)の内法の規定を満たしているものとする。
  2. 届出に関する事項

    認知症治療病棟入院料に係る施設基準の届出は、別添7の様式9様式20及び様式56を用いることとし、当該病棟の平面図を添付すること。また、「注2」に規定する認知症夜間対応加算の施設基準に係る届出は、別添7の様式9様式20及び特掲診療料施設基準通知の別添2の様式48を用いること。この場合において、病棟の勤務実績表で看護要員の職種が確認できる場合は、様式20の当該看護要員のみを省略することができること。なお、認知症夜間対応加算の様式48に係る届出については、医療保護入院等診療料の届出を行っている場合は、別に地方厚生(支)局長に対して、届出を行う必要はないこと。

事務連絡

  1. 生活機能回復のための訓練及び指導について、認知症患者リハビリテーション料又は精神科作業療法を算定した場合は、その時間を含めて差し支えないこととされたが、この場合、認知症患者リハビリテーション料に規定される専用の機能訓練室又は精神科作業療法に規定される専用の施設は、認知症治療病棟入院料に規定される専用の生活機能回復訓練室と兼用することが可能か。
  2. 認知症患者リハビリテーション料又は精神科作業療法が認知症治療病棟に入院している患者に対して行われる場合に限り、生活機能回復訓練室と兼用して差し支えない。
    H30.03.30(その1)-118

  3. A312精神療養病棟入院料及びA314認知症治療病棟入院料の退院調整加算の届出に必要とされる専従の精神保健福祉士等は、I011精神科退院指導料及びI011-2精神科退院前訪問指導料の算定に必要な精神保健福祉士等を兼ねることは可能か。
  4. 可能である。
    H24.03.30(その1)-86

  5. A314認知症治療病棟入院料を算定する病棟において、準夜帯には看護要員が3人いるが、深夜帯にいない場合は認知症夜間対応加算を算定してよいか。
  6. 算定できない。
    H24.03.30(その1)-88