精神科救急・合併症入院料の施設基準等 – 令和6年度診療報酬改定

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告示

十五の二 精神科救急・合併症入院料の施設基準等

  1. 精神科救急・合併症入院料の施設基準
    1. 都道府県が定める救急医療に関する計画に基づいて運営される救命救急センターを有している病院の病棟単位で行うものであること。
    2. 主として急性期の集中的な治療を要する精神疾患を有する患者を入院させ、精神病棟を単位として行うものであること。
    3. 医療法施行規則第十九条第一項第一号に定める医師の員数以上の員数が配置されていること。
    4. 医療法施行規則第十九条第二項第二号に定める看護師及び准看護師の員数以上の員数が配置されていること。
    5. 当該病棟における常勤の医師の数は、当該病棟の入院患者の数が十六又はその端数を増すごとに一以上であること。
    6. 当該病棟を有する保険医療機関に、常勤の精神科医が五名以上配置され、かつ、当該病棟に常勤の精神保健指定医が二名以上配置されていること。
    7. 当該病棟において、一日に看護を行う看護師の数は、常時、当該病棟の入院患者の数が十又はその端数を増すごとに一以上であること。ただし、当該病棟において、一日に看護を行う看護師が本文に規定する数に相当する数以上である場合には、当該病棟における夜勤を行う看護師の数は、本文の規定にかかわらず、二以上であることとする。
    8. 当該地域における精神科救急医療体制の確保のために整備された精神科救急医療施設であること。
    9. 精神科救急・合併症医療を行うにつき十分な体制が整備されていること。
    10. 精神科救急・合併症医療を行うにつき十分な構造設備を有していること。
    11. 精神科救急・合併症医療に係る実績を相当程度有していること。
  2. 精神科救急・合併症入院料の注2の除外薬剤・注射薬

    別表第五の一の四に掲げる薬剤・注射薬

  3. 精神科救急・合併症入院料の対象患者

    別表第十に掲げる患者

  4. 看護職員夜間配置加算の施設基準
    1. 当該病棟において、夜勤を行う看護職員の数は、常時、当該病棟の入院患者の数が十六又はその端数を増すごとに一以上であること。
    2. 当該保険医療機関において、入院患者に対する行動制限を必要最小限のものとするため、医師、看護師及び精神保健福祉士等で構成された委員会を設置していること。
    3. 夜間における看護業務の負担の軽減に資する十分な業務管理等の体制が整備されていること。
    4. 看護職員の負担の軽減及び処遇改善に資する体制が整備されていること。
  5. 精神科救急・合併症入院料のに規定する厚生労働大臣が定める日

    当該病棟における夜勤を行う看護職員の数が三未満である日

通知

第16の2 精神科救急・合併症入院料

  1. 精神科救急・合併症入院料に関する施設基準等
    1. 医療法の規定に基づき許可を受け、若しくは届出をし、又は承認を受けた病床の数以上の入院患者を入院させていないこと。
    2. 当該保険医療機関内に、精神科医師が5名以上常勤していること。
    3. 当該保険医療機関内に当該入院料を算定する病棟以外の他の精神病棟が存在する場合は、当該他の精神病棟は、精神病棟入院基本料の10対1入院基本料、13対1入院基本料、15対1入院基本料、18対1入院基本料若しくは20対1入院基本料又は特定入院料を算定している病棟でなければならない。
    4. 当該各病棟における常勤の医師の数は、当該病棟の入院患者の数が16又はその端数を増すごとに1以上であること。
    5. 当該各病棟に2名以上の常勤の精神保健福祉士が配置されていること。
    6. 当該各病棟において、日勤帯以外の時間帯にあっては、看護師が常時2人以上配置されていること。
    7. 当該病棟の病床数は、1看護単位当たり60床以下であること。
    8. 当該病棟に以下に定める合併症ユニットを有しており、当該病棟の病床のうち、隔離室を含む個室が半数以上を占めること。なお、合併症ユニットの病床は個室として算入することができる。
      1. 当該病棟の治療室単位であり、当該病棟の病床数の2割以上であること。
      2. 当該治療室に入院する患者は、常時8割以上が下記の身体疾患を持つ精神障害者であること。
        1. 呼吸器系疾患(肺炎、喘息発作、肺気腫、間質性肺炎の急性増悪、肺塞栓又は気胸)
        2. 心疾患(New York Heart Association の心機能分類のⅢ度、Ⅳ度相当の心不全、虚血性心疾患又はモニター監視を必要とする不整脈)
        3. 手術又は直達・介達牽引を要する骨折
        4. 脊髄損傷
        5. 重篤な内分泌・代謝性疾患(インスリン投与を要する糖尿病、専門医の診療を要する内分泌疾患又は肝硬変に伴う高アンモニア血症)
        6. 重篤な栄養障害(Body Mass Index 15未満の摂食障害)
        7. 意識障害(急性薬物中毒、アルコール精神障害、電解質異常、代謝性疾患によるせん妄等)
        8. 全身感染症(結核、後天性免疫不全症候群、梅毒1期、2期又は敗血症)
        9. 中枢神経系の感染症(髄膜炎、脳炎等)
        10. 急性腹症(消化管出血、イレウス等)
        11. 劇症肝炎又は重症急性膵炎
        12. 悪性症候群又は横紋筋融解症
        13. 広範囲(半肢以上)熱傷
        14. 手術、化学療法若しくは放射線療法を要する状態又は末期の悪性腫瘍
        15. 重篤な血液疾患(ヘモグロビン7g/dl 以下の貧血又は頻回に輸血を要する状態)の患者
        16. 急性かつ重篤な腎疾患(急性腎不全、ネフローゼ症候群又は糸球体腎炎)の患者
        17. 人工透析中又は腎不全で透析導入を要する状態
        18. 手術室での手術を必要とする状態
        19. 合併症妊娠・出産
        20. 膠原病(専門医による管理を必要とする状態)
      3. 身体合併症管理を行うために必要な次に掲げる装置及び器具を当該病棟内に常時備えていること。
        1. 救急蘇生装置
        2. 除細動器
        3. 心電計
        4. 呼吸循環監視装置
    9. 必要な検査及びCT撮影が必要に応じて速やかに実施できる体制にあること。
    10. 1月間の当該入院料を算定している病棟の患者の延べ入院日数のうち、4割以上が新規患者の延べ入院日数であること。
    11. 当該病棟において、措置入院患者、鑑定入院患者、医療観察法入院患者及びクロザピンの新規導入を目的とした入院患者を除いた新規入院患者のうち4割以上が入院日から起算して3月以内に退院し、自宅等へ移行すること。「自宅等へ移行する」とは、患家、介護老人保健施設、介護医療院又は精神障害者施設へ移行することである。なお、ここでいう「患家」とは、退院先のうち、同一の保険医療機関の当該入院料に係る病棟以外の病棟へ転棟した場合、他の保険医療機関へ転院した場合及び介護老人保健施設、介護医療院又は精神障害者施設に入所した場合を除いたものをいう。また、退院後に、医科点数表第1章第2部通則5の規定により入院期間が通算される再入院をした場合は、移行した者として計上しない。
    12. 精神科救急医療体制整備事業において基幹的な役割を果たしていること。具体的には、以下のアからウまでのいずれも満たしていること。
      1. 常時精神科救急外来診療が可能であること。
      2. 精神疾患に係る時間外、休日又は深夜における入院件数が年間20件以上であること。
      3. 全ての入院形式の患者受入れが可能であること。
    13. 当該病棟の年間の新規患者のうち6割以上が措置入院、緊急措置入院、医療保護入院、応急入院、鑑定入院、医療観察法入院及び合併症ユニットへ入院する身体疾患を有する精神障害者のいずれかに係るものであること。
    14. 以下の地域における直近1年間における措置入院、緊急措置入院及び応急入院に係る新規入院患者のうち、原則として4分の1以上又は5件以上の患者を当該病棟において受け入れていること。
      1. 当該保険医療機関の所在地の都道府県(政令市の区域を含むものとする。)
      2. 1精神科救急医療圏と1基幹病院が対となって明確に区分された圏域がある場合(例えば政令市は市立病院が、政令市以外の地区は県立病院が救急基幹病院となる。)は、当該圏域
  2. 看護職員夜間配置加算の施設基準
    1. 当該病棟において、夜間に看護を行う看護職員の数は、常時、当該病棟の入院患者の数が16又はその端数を増すごとに1に相当する数以上であること。
    2. 行動制限最小化に係る委員会において次の活動を行っていること。
      1. 行動制限についての基本的考え方や、やむを得ず行動制限する場合の手順等を盛り込んだ基本指針の整備
      2. 患者の病状、院内における行動制限患者の状況に係るレポートをもとに、月1回程度の病状改善、行動制限の状況の適切性及び行動制限最小化のための検討会議の開催
      3. 当該保険医療機関における精神科診療に携わる職員全てを対象とした、精神保健福祉法、隔離拘束の早期解除及び危機予防のための介入技術等に関する研修会の年2回程度の実施
    3. 次に掲げる夜間における看護業務の負担軽減に資する業務管理等に関する項目のうち、ア又はウを含む3項目以上を満たしていること。また、当該3項目以上にクが含まれることが望ましいこと。ただし、当該加算を算定する病棟が2交代制勤務又は変則2交代制勤務を行う病棟のみで構成される保険医療機関である場合は、ア及びウからクまでのうち、ア又はウを含む3項目以上を満たしていること。なお、各項目の留意点については、別添3の第4の3の9の(3)と同様であること。
      1. 当該病棟において、夜勤を含む交代制勤務に従事する看護職員の勤務終了時刻と直後の勤務の開始時刻の間が11時間以上であること。
      2. 3交代制勤務又は変則3交代制勤務の病棟において、夜勤を含む交代制勤務に従事する看護職員の勤務開始時刻が、直近の勤務の開始時刻の概ね24時間後以降となる勤務編成であること。
      3. 当該病棟において、夜勤を含む交代制勤務に従事する看護職員の連続して行う夜勤の数が2回以下であること。
      4. 当該病棟において、夜勤を含む交代制勤務に従事する看護職員の夜勤後の暦日の休日が確保されていること。
      5. 当該病棟において、夜勤時間帯の患者のニーズに対応できるよう、早出や遅出等の柔軟な勤務体制の工夫がなされていること。
      6. 当該保険医療機関において、所属部署以外の部署を一時的に支援するために、夜勤時間帯を含めた各部署の業務量を把握・調整するシステムが構築されており、かつ、部署間での業務標準化に取り組み、過去一年間に当該システムを夜勤時間帯に運用した実績があること。
      7. 当該保険医療機関において、夜勤時間帯を含めて開所している院内保育所を設置しており、夜勤を含む交代制勤務に従事する医療従事者の利用実績があること。
      8. 当該病棟において、ICT、AI、IoT等の活用によって、看護職員の業務負担軽減を行っていること。
    4. 看護職員の負担の軽減及び処遇の改善に資する体制を整備していること。当該体制については、別添2の第2の11の(3)の例による。
  3. 届出に関する事項
    1. 精神科救急・合併症入院料の施設基準に係る届出は、別添7の様式9様式20(精神保健指定医については、備考欄に指定医番号を記載すること。)、様式53及び様式55を用いることとし、当該病棟の配置図(合併症ユニット及び隔離室の位置が分かるもの。)を添付すること。この場合において、病棟の勤務実績表で看護要員の職種が確認できる場合は、様式20の当該看護要員のみを省略することができること。なお、精神科救急医療体制の整備等に係る実績を評価するため、毎年8月において様式53及び様式55を届け出ること。
    2. 注4」に規定する看護職員夜間配置加算の施設基準に係る届出は、別添7の様式9様式13の3様式20及び特掲診療料施設基準通知の別添2の様式48を用いること。なお、当該加算の様式48に係る届出については、医療保護入院等診療料の届出を行っている場合は、別に地方厚生(支)局長に対して、届出を行う必要はないこと。ただし、当該加算に係る前年度における看護職員の負担の軽減及び処遇の改善に資する計画の取組状況を評価するため、毎年8月において様式13の3を届け出ること。

事務連絡

  1. 地域包括ケア病棟入院料、精神科救急入院料、精神科救急・合併症入院料の看護職員夜間配置加算については、①同一医療機関に同一の入院料を算定する病棟が複数ある場合、病棟全てで当該加算を届けなければならないか。②毎日、各病棟に看護師3人以上の配置が必要か。
    1. 病棟ごとに届け出ることが可能である。
    2. 夜勤帯において常時16対1を満たす必要があり、その上で病棟ごとに3人以上の配置の場合に算定できる。例えば、入院患者数が32人以下で、配置が2名となった場合は、16対1は満たしているが3人以上配置ではないため、当該日のみ算定できない。
    H30.03.30(その1)-53

  2. 夜間看護体制加算(区分番号「A106」障害者施設等入院基本料の注10、「A207-3」急性期看護補助体制加算の注3、「A214」看護補助加算の注3)、「A207-4」看護職員夜間配置加算、看護職員夜間配置加算(「A311」精神科救急入院料の注5、「A311-3」精神科救急・合併症入院料の注5)の施設基準における「夜間における看護業務の負担軽減に資する業務管理等に関する項目」のうち、「夜勤後の暦日の休日が確保されていること」について、早出、遅出など一部夜勤時間帯を含む勤務形態についても、当該項目における暦日の休日確保が必要な夜勤の対象となるか。
  3. 「疑義解釈資料の送付について(その4)」(平成28年6月14日厚生労働省保険局医療課事務連絡)問9と同様に、勤務時間に午後10時から翌日5時までの時間帯が一部でも含まれる場合は、当該項目における暦日の休日確保が必要な夜勤の対象とする。
    R3.03.31(その62)-2