リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算の施設基準 – 令和6年度診療報酬改定

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告示

二十七の二 リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算の施設基準

  1. 当該病棟に入院中の患者に対して、ADL等の維持、向上、及び栄養管理等に資する十分な体制が整備されていること。
  2. 当該病棟に専従の常勤の理学療法士、作業療法士若しくは言語聴覚士が二名以上配置されていること、又は当該病棟に専従の常勤の理学療法士、作業療法士若しくは言語聴覚士が一名以上配置されており、かつ、当該病棟に専任の常勤の理学療法士、作業療法士若しくは言語聴覚士が一名以上配置されていること。
  3. 当該病棟に専任の常勤の管理栄養士が一名以上配置されていること。
  4. 口腔管理を行うにつき必要な体制が整備されていること。

通知

第18の2 リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算

  1. リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算に関する施設基準
    1. 急性期一般入院基本料、7対1入院基本料(特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)及び専門病院入院基本料)又は10対1入院基本料(特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)及び専門病院入院基本料)を算定する病棟を単位として行うこと。
    2. 当該病棟に、専従の常勤理学療法士、常勤作業療法士又は常勤言語聴覚士(以下「理学療法士等」という。)が2名以上配置されている。なお、うち1名は専任の従事者でも差し支えない。複数の病棟において当該加算の届出を行う場合には、病棟ごとにそれぞれ専従の理学療法士等が配置されていること。また、当該理学療法士等(専従のものに限る。)は、「H000」心大血管疾患リハビリテーション料、「H001」脳血管疾患等リハビリテーション料、「H001-2」廃用症候群リハビリテーション料、「H002」運動器リハビリテーション料、「H003」呼吸器リハビリテーション料、「H004」摂食機能療法、「H005」視能訓練、「H006」難病患者リハビリテーション料、「H007」障害児(者)リハビリテーション料、「H007-2」がん患者リハビリテーション料、「H007-3」認知症患者リハビリテーション料及び「H008」集団コミュニケーション療法料(以下「疾患別リハビリテーション等」という。)を担当する専従者との兼務はできないものであること。

      ただし、当該病棟内に「A308」に規定する回復期リハビリテーション入院医療管理料又は「A308-3」に規定する地域包括ケア入院医療管理料1、2、3又は4を算定する病室がある場合には、当該病室における理学療法士等の業務について兼務しても差し支えない。

    3. 当該病棟に専任の常勤の管理栄養士が1名以上配置されていること。なお、当該専任の管理栄養士として配置される病棟は、1名につき1病棟に限る。
    4. 当該保険医療機関において、以下のいずれも満たす常勤医師が1名以上勤務していること。
      1. リハビリテーション医療に関する3年以上の経験を有していること。
      2. 適切なリハビリテーション、栄養管理、口腔管理に係る研修を修了していること。
    5. (4)の要件のうちイにおけるリハビリテーション、栄養管理、口腔管理に係る研修とは、医療関係団体等が開催する急性期のリハビリテーション医療等に関する理論、評価法等に関する総合的な内容を含む研修であり、2日以上かつ12時間以上の研修期間で、修了証が交付されるものである。なお、当該研修には、次の内容を含むものである。また、令和6年3月31日までにADL維持等向上体制加算において規定された「適切なリハビリテーションに係る研修」を修了している医師については、令和8年3月31日までの間に限り当該研修を修了してるものとみなす。
      1. リハビリテーション概論について(急性期リハビリテーションの目的、障害の考え方、チームアプローチを含む。)
      2. リハビリテーション評価法について(評価の意義、急性期リハビリテーションに必要な評価を含む。)
      3. リハビリテーション治療法について(運動療法、作業療法、言語聴覚療法、義肢装具療法及び薬物療法を含む。)
      4. リハビリテーション処方について(リハビリテーション処方の実際、患者のリスク評価、リハビリテーションカンファレンスを含む。)
      5. 高齢者リハビリテーションについて(廃用症候群とその予防を含む。)
      6. 脳・神経系疾患(急性期)に対するリハビリテーションについて
      7. 心臓疾患(CCUでのリハビリテーションを含む。)に対するリハビリテーションについて
      8. 呼吸器疾患に対するリハビリテーションについて
      9. 運動器系疾患のリハビリテーションについて
      10. 周術期におけるリハビリテーションについて(ICUでのリハビリテーションを含む。)
      11. 急性期における栄養状態の評価(GLIM基準を含む。)、栄養療法について
      12. 急性期における口腔状態の評価、口腔ケア、医科歯科連携について
    6. プロセス・アウトカム評価として、以下のア~エの基準を全て満たすこと。なお、ア~ウについて、新規に届出をする場合は、直近3月間の実績が施設基準を満たす場合、届出することができる。
      1. 直近1年間に、当該病棟への入棟後3日(入棟日の翌々日)までに疾患別リハビリテーション料が算定された患者数から、当該病棟を退院又は転棟した患者のうち疾患別リハビリテーション料が算定された患者数を除した割合が8割以上であること。
      2. 直近1年間に、当該病棟の入棟患者に対する土曜日、日曜日、祝日における1日あたりの疾患別リハビリテーション料の提供単位数から、当該病棟の入棟患者に対する平日における1日あたりの疾患別リハビリテーション料の提供単位数を除した割合が8割以上であること。
      3. 直近1年間に、当該病棟を退院又は転棟した患者(死亡退院及び終末期のがん患者を除く。)のうち、退院又は転棟時におけるADL(基本的日常生活活動度(Barthel Index)(以下「BI」という。)の合計点数をいう。)が入院時と比較して低下した患者の割合が3%未満であること。
      4. 当該病棟の入院患者のうち、院内で発生した褥瘡(DESIGN-R2020分類d2以上とする。)を保有している入院患者の割合が2.5%未満であること。なお、その割合は、次の(イ)に掲げる数を(ロ)に掲げる数で除して算出する。ただし、届出時の直近月の初日(以下この項において「調査日」という。)における当該病棟の入院患者数が80人以下の場合は、本文の規定にかかわらず、当該病棟の入院患者のうち、院内で発生した褥瘡を保有している入院患者が2人以下であること。
        1. 調査日に褥瘡を保有する患者数のうち、入院時既に褥瘡保有が記録された患者を除いた患者数
        2. 調査日の入院患者数(調査日の入院又は予定入院患者は含めず、退院又は退院予定患者は含める。)
    7. 脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅰ)、(Ⅱ)若しくは(Ⅲ)及び運動器リハビリテーション料(Ⅰ)若しくは(Ⅱ)に係る届け出を行っていること。
    8. 入退院支援加算1の届出を行っていること。
    9. 適切な口腔ケアを提供するとともに、口腔状態に係る課題(口腔衛生状態の不良や咬合不良等)を認めた場合は、必要に応じて当該保険医療機関の歯科医師等と連携する又は歯科診療を担う他の保険医療機関への受診を促す体制が整備されていること。
    10. 当該保険医療機関において、BIの測定に関わる職員を対象としたBIの測定に関する研修会を年1回以上開催すること。
  2. 届出に関する事項

    リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算の施設基準に係る届出は、別添7の様式5の5を用いること。1の(6)のア~ウの実績については、新規に届出をする場合は、直近3月間の実績が施設基準を満たす場合、届出することができる。また、施設基準を満たさなくなったため所定点数を加算できなくなった後、再度届出を行う場合については、新規に届出をする場合には該当しない。また、届出以降は、前年度1年間の1の(6)のア~エの実績を毎年8月に別添7の様式5の5の2を用いて、地方厚生(支)局長に報告すること。

事務連絡

  1. リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算及びリハビリテーション・栄養・口腔連携加算の施設基準において、適切なリハビリテーション、栄養管理、口腔管理に係る研修を修了している常勤医師が1名以上勤務していることが求められているが、この「適切なリハビリテーション、栄養管理、口腔管理に係る研修」とは、具体的にどのようなものがあるか。
  2. 現時点では、日本リハビリテーション医学会が主催する「急性期病棟におけるリハビリテーション診療、栄養管理、口腔管理に係る医師研修会」が該当する。
    R6.03.28(その1)-60

  3. 「A233」リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算の施設基準において、「直近1年間に、当該病棟を退院又は転棟した患者(死亡退院及び終末期のがん患者を除く。)のうち、退院又は転棟時におけるADL(基本的日常生活活動度(Barthel Index)(以下「BI」という。)の合計点数をいう。)が入院時と比較して低下した患者の割合が3%未満であること。」とされているが、入退棟時のBIの測定をする者についてどのように考えればよいか。
  4. BIの測定に関わる職員を対象としたBIの測定に関する研修会を修了した職員が評価することが望ましい。
    R6.03.28(その1)-54

  5. 「A233」リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算、「A304」地域包括医療病棟入院料及び「A304」地域包括医療病棟入院料の注10に規定するリハビリテーション・栄養・口腔連携加算の施設基準における「直近1年間に、当該病棟を退院又は転棟した患者(死亡退院及び終末期のがん患者を除く。)のうち、退院又は転棟時におけるADL(基本的日常生活活動度(Barthel Index)(以下「BI」という。)の合計点数をいう。)が入院時と比較して低下した患者の割合」について、同一入院料を算定する別の病棟への転棟時もADLの測定をする必要があるのか。
  6. そのとおり。
    R6.05.10(その4)-5

  7. 「A233」リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算、「A304」地域包括医療病棟入院料及び「A304」地域包括医療病棟入院料の注10に規定するリハビリテーション・栄養・口腔連携加算の施設基準における「直近1年間に、当該病棟を退院又は転棟した患者(死亡退院及び終末期のがん患者を除く。)のうち、退院又は転棟時におけるADL(基本的日常生活活動度(Barthel Index)(以下「BI」という。)の合計点数をいう。)が入院時と比較して低下した患者の割合」について、「DPC導入の影響評価に係る調査」及び「DPCの評価・検証等に係る調査(退院患者調査)」における入院時または退院時のADLスコアを用いることは可能か。
  8. 令和7年3月31日までに限り、「DPC導入の影響評価に係る調査」及び「DPCの評価・検証等に係る調査(退院患者調査)」における入院時または退院時のADLスコアを用いた評価であっても差し支えない。
    R6.05.10(その4)-6

  9. リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算について、病棟の専従及び専任の理学療法士、作業療法士及び言語聴覚士については1日につき9単位を超えた疾患別リハビリテーション料等の算定をできないこととされているが、当該病棟の専任の理学療法士、作業療法士及び言語聴覚士にかかる疾患別リハビリテーション料の取り扱い如何。
  10. 当該病棟の専任の理学療法士、作業療法士及び言語聴覚士については、他の病棟での疾患別リハビリテーション料を含めて、1日につき9単位を超えた疾患別リハビリテーション料の算定はできない。
    R6.03.28(その1)-63

  11. リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算及び地域包括医療病棟入院料の施設基準において、「当該専任の管理栄養士として配置される病棟は、1名につき1病棟に限る。」とあるが、1名の管理栄養士がそれぞれの施設基準について1病棟ずつ兼務することができるか。
  12. 不可。
    R6.03.28(その1)-56

  13. 「A233」リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算、「A304」地域包括医療病棟入院料の「注10」に規定するリハビリテーション・栄養・口腔連携加算、「A308」回復期リハビリテーション病棟入院料の「1」回復期リハビリテーション病棟入院料1及び「2」回復期リハビリテーション病棟入院料2並びに特定機能病院リハビリテーション病棟入院料の施設基準において、「適切な口腔ケアを提供するとともに、口腔状態に係る課題(口腔衛生状態の不良や咬合不良等)を認めた場合は、必要に応じて当該保険医療機関の歯科医師等と連携する又は歯科診療を担う他の保険医療機関への受診を促す体制が整備されていること。」とされているが、この口腔状態に係る課題の評価の具体的な方法如何。
  14. 「歯の汚れ」「歯肉の腫れ、出血」「左右両方の奥歯でしっかりかみしめられる」「義歯の使用」について、原則入棟後48時間以内に評価をおこなうこと。その後、口腔状態の変化に応じて定期的な再評価を行うこと。評価者は歯科専門職に限らない。なお、評価方法については日本歯科医学会による「入院(所)中及び在宅等における療養中の患者に対する口腔の健康状態の評価に関する基本的な考え方(令和6年3月)」を参考とすること。 参考:https://www.jads.jp/basic/index_2024.html
    R6.03.28(その1)-62