薬剤 – 令和6年度診療報酬改定

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告示

薬剤

薬剤料は、次の各区分ごとに所定単位につき、薬価が15円以下である場合は1点とし、15円を超える場合は10円又はその端数を増すごとに1点を所定点数に加算する。

使用薬剤 単位

内服薬及び浸煎薬 1剤1日分

屯服薬 1回分

外用薬 1調剤

  1. 特別入院基本料等を算定している病棟を有する病院に入院している患者であって入院期間が1年を超えるものに対する同一月の投薬に係る薬剤料と注射に係る薬剤料とを合算して得た点数(以下この表において「合算薬剤料」という。)が、220点にその月における当該患者の入院日数を乗じて得た点数を超える場合(悪性新生物その他の特定の疾患に罹患している患者に対して投薬又は注射を行った場合を除く。)には、当該合算薬剤料は、所定点数にかかわらず、220点にその月における当該患者の入院日数を乗じて得た点数により算定する。
  2. 1処方につき3種類以上の抗不安薬、3種類以上の睡眠薬、3種類以上の抗うつ薬、3種類以上の抗精神病薬又は4種類以上の抗不安薬及び睡眠薬の投薬(臨時の投薬等のもの及び3種類の抗うつ薬又は3種類の抗精神病薬を患者の病状等によりやむを得ず投与するものを除く。)を行った場合には、抗不安薬、睡眠薬、抗うつ薬及び抗精神病薬に係る薬剤料に限り、所定点数の100分の80に相当する点数により算定する。
  3. 注2以外の場合であって、1処方につき7種類以上の内服薬の投薬(臨時の投薬であって、投薬期間が2週間以内のもの及び区分番号A001に掲げる再診料の注12に掲げる地域包括診療加算又は区分番号B001-2-9に掲げる地域包括診療料を算定するものを除く。)を行った場合には、所定点数の100分の90に相当する点数により算定する。
  4. 区分番号A000に掲げる初診料の注2又は注3、区分番号A002に掲げる外来診療料の注2又は注3を算定する保険医療機関において、別に厚生労働大臣が定める薬剤を除き、1処方につき投与期間が30日以上の投薬を行った場合には、所定点数の100分の40に相当する点数により算定する。
  5. 健康保険法第85条第1項及び高齢者医療確保法第74条第1項に規定する入院時食事療養費に係る食事療養又は健康保険法第85条の2第1項及び高齢者医療確保法第75条第1項に規定する入院時生活療養費に係る生活療養の食事の提供たる療養を受けている患者又は入院中の患者以外の患者に対して投与されたビタミン剤については、当該患者の疾患又は症状の原因がビタミンの欠乏又は代謝異常であることが明らかであり、かつ、必要なビタミンを食事により摂取することが困難である場合その他これに準ずる場合であって、医師が当該ビタミン剤の投与が有効であると判断したときを除き、これを算定しない。
  6. 使用薬剤の薬価は、別に厚生労働大臣が定める。

通知

  1. 「注2」については、「F100」処方料の(3)に準じるものとする。
  2. 「注2」の算定は、外来の場合に限る。なお、1処方とは処方料の算定単位となる処方をいう。
  3. 1回の処方において、2種類以上の内服薬を調剤する場合には、それぞれの薬剤を個別の薬包等に調剤しても、服用時点及び服用回数が同じであるものについては、次の場合を除き1剤として算定する。
    1. 配合不適等調剤技術上の必要性から個別に調剤した場合
    2. 固形剤と内用液剤の場合
    3. 内服錠とチュアブル錠等のように服用方法が異なる場合
  4. 「注1」における「その他の特定の疾患」とは、難病の患者に対する医療等に関する法律第5条第1項に規定する指定難病(同法第7条第4項に規定する医療受給者証を交付されている患者(同条第1項各号に規定する特定医療費の支給認定に係る基準を満たすものとして診断を受けたものを含む。)に係るものに限る。)又は「特定疾患治療研究事業について」に掲げる疾患(当該疾患に罹患しているものとして都道府県知事から受給者証の交付を受けているものに限る。ただし、スモンについては過去に公的な認定を受けたことが確認できる場合等を含む。)をいう。
  5. 特別入院基本料等を算定する病棟を有する病院の長期入院患者に係る入院期間の算定は、当該特別入院基本料等を算定する病棟を有する病院となる以前からの入院期間を通算する。

    また、入院期間の算定は第1章第2部入院料等の通則の例に準じる。

  6. 「注3」の多剤投与の場合の算定
    1. 「注3」の算定は、外来の場合に限り、1処方のうち、内服薬についてのみ対象とする。この場合の「種類」については、次のように計算する。なお、1処方とは処方料の算定単位となる処方をいう。
      1. 錠剤、カプセル剤については、1銘柄ごとに1種類と計算する。
      2. 散剤、顆粒剤及び液剤については、1銘柄ごとに1種類と計算する。
      3. (ロ)の薬剤を混合して服薬できるよう調剤を行ったものについては、1種類とする。
      4. 薬剤料に掲げる所定単位当たりの薬価が205円以下の場合には、1種類とする。
    2. 「注3」の「所定点数」とは、1処方のうちの全ての内服薬の薬剤料をいう。
    3. 「注3」の算定は、常態として投与する内服薬が7種類以上の場合に行い、臨時に投与する薬剤については対象としない。
    4. ウの臨時に投与する薬剤とは連続する投与期間が2週間以内のものをいい、2週間を超える投与期間の薬剤にあっては常態として投与する薬剤として扱う。なお、投与中止期間が1週間以内の場合は、連続する投与とみなして投与期間を計算する。
    5. 臨時的に内服薬の追加投与等を行った結果、1処方につき内服薬が7種類以上となる場合において、傷病名欄からその必要性が明らかでない場合には、診療報酬明細書の摘要欄にその必要性を記載する。
  7. 「注4」については、「F100」処方料の(11)に準じるものとする。
  8. ビタミン剤
    1. 「注5」に規定するビタミン剤とは、内服薬及び注射薬をいうものであり、また、ビタミンを含有する配合剤を含むものである。
    2. ビタミン剤に係る薬剤料が算定できるのは、医師が当該ビタミン剤の投与が有効であると判断し、適正に投与された場合に限られるものであり、医師が疾患の特性により投与の必要性を認める場合のほか、具体的には、次のような場合をいう。ただし、薬事承認の内容に従って投与された場合に限る。
      1. 患者の疾患又は症状の原因がビタミンの欠乏又は代謝障害であることが明らかであり、かつ、必要なビタミンを食事により摂取することが困難である場合(例えば、悪性貧血のビタミンB12の欠乏等、診察及び検査の結果から当該疾患又は症状が明らかな場合)
      2. 患者が妊産婦、乳幼児等(手術後の患者及び高カロリー輸液療法実施中の患者を含む。)であり、診察及び検査の結果から食事からのビタミンの摂取が不十分であると診断された場合
      3. 患者の疾患又は症状の原因がビタミンの欠乏又は代謝障害であると推定され、かつ、必要なビタミンを食事により摂取することが困難である場合
      4. 重湯等の流動食及び軟食のうち、一分がゆ、三分がゆ又は五分がゆを食している場合
      5. 無菌食、フェニールケトン尿症食、楓糖尿症食、ホモシスチン尿症食又はガラクトース血症食を食している場合
    3. ビタミン剤に係る薬剤料を算定する場合には、当該ビタミン剤の投与が必要かつ有効と判断した趣旨を具体的に診療録及び診療報酬明細書に記載しなければならない。ただし、病名によりビタミン剤の投与が必要、かつ、有効と判断できる場合は趣旨を診療報酬明細書に記載することは要しない。

事務連絡

  1. F200薬剤料について、注2(例えば、3種類以上の抗不安薬)と注3(7種類以上の内服薬)の両方に該当する場合については、薬剤費をどのように算定するのか。

    1. 3種類の抗不安薬と、4種類の「向精神薬(抗不安薬、睡眠薬、抗うつ薬又は抗精神病薬)以外の薬剤」を投薬する場合
    2. 3種類の抗不安薬と、7種類の「向精神薬以外の薬剤」を投薬する場合
  2. ①の場合については、抗不安薬について所定点数の100分の80で、「向精神薬以外の薬剤」については所定点数の100分の100で算定する。②の場合については、抗不安薬について所定点数の100分の80で算定した上で、抗不安薬を除いても注3の要件に該当することから、「向精神薬以外の薬剤」について、所定点数の100分の90で算定する。
    H28.04.25(その2)-22

  3. F200薬剤料の注4(紹介率・逆紹介率の低い大病院の投与期間が30日以上の投薬に係る減算規定)の「所定点数」について、

    1. 1処方において、投与期間が30日以上の投薬と30日未満の投薬がある場合、「所定点数」とは、1処方全ての医薬品の総点数(1日(回)あたりの点数に1処方の日(回)数を乗じて得た点数)となるか、30日以上の投薬に係る医薬品の総点数か。
    2. 投与期間が30日以上の投薬を行った1剤(服用時点、服用回数が同じもの)に、減算規定除外対象の医薬品と減算規定除外対象以外の医薬品が混在する場合、「所定点数」とは、1剤の総点数となるか、減算規定除外対象以外の医薬品の総点数となるか。
    3. 注2(向精神薬多剤投与100分の80)又は注3(7種以上の内服薬100分の90)と注4(紹介率・逆紹介率の低い大病院の30日以上の投薬100分の60)の減算規定が同時に適用となる場合、注4の「所定点数」の扱いはどのようになるか。
    1. 内服・頓服・外用に係る薬剤料について、投与期間が30日以上の投薬に係る医薬品の総点数を「所定点数」とする。
    2. 投与期間が30日以上の投薬を行った1剤(服用時点、服用回数が同じもの)に、減算規定除外対象の医薬品と減算規定除外対象以外の医薬品が混在する場合は減算規定除外対象以外の医薬品の総点数を「所定点数」とする。
    3. 減算規定は注2又は注3を先に適用し、その上で注4の規定の対象となる医薬品についてのみ注4の規定を適用(100分の60を乗じ端数がある場合には四捨五入)することとなる。

      この場合の注4の「所定点数」は、注4の減算規定の対象となる医薬品について総点数を算出し、注2(100分の80)又は注3(100分の90)の規定に係る乗数を乗じ、端数がある場合には四捨五入した点数である。

      なお、注2から注4の規定による控除点数(算定点数から所定点数の合計を控除して得た点数)は、次のように算出する。

      内服薬1処方分(注2の向精神薬多剤投与100分の80減算該当)

      A薬剤(薬価98円30日) 10 × 30 (注4の減算規定除外対象)

      B薬剤(薬価220円42日) 22 × 42

      C薬剤(薬価302円30日) 30 × 30

      D薬剤(薬価400円14日) 40 × 14の場合、

      処方全体について、注2の減算を先に適用することから、注2による控除対象の総点数は、

      10×30 + 22×42 + 30×30 + 40×14 = 2,684(点)

      ・注2の減算を適用した場合、

      2,684 ×(80/100)= 2,147.2(四捨五入して2,147点)

      ・注2による控除点数は、2,147 - 2,684 = △537点

      である。

      注4による控除対象は、B薬剤とC薬剤であることから、

      ・B薬剤とC薬剤のみに注2による減算を適用した場合の所定点数は、

      (22×42+ 30×30)×(80/100)= 1,459.2 (四捨五入して1,459点)

      ・B薬剤とC薬剤に注4を適用した場合、 1,459 × (60/100)= 875.4(四捨五入して875点)

      ・注4による控除点数は、875 - 1,459 = △584点

      である。

      よって、処方全体の薬剤の算定点数(合計点数)は、

      2,684-537-584=1,563点

      となる。

    H27.03.30(その13)-7

  4. 指定難病については、

    ○区分番号「A101」療養病棟入院基本料の「医療区分・ADL区分に係る評価表評価の手引き」19~23、区分番号「B0017」難病外来指導管理料、区分番号「C109」在宅寝たきり患者処置指導管理料、区分番号「F200」薬剤注1、区分番号「J038」人工腎臓注3等においては、「同法(難病の患者に対する医療等に関する法律)第7条第4項に規定する医療受給者証を交付されている患者(同条第一項各号に規定する特定医療費の支給認定に係る基準を満たすものとして診断を受けたものを含む。)に係るものに限る」

    ○区分番号「C002」在宅時医学総合管理料の注5等に規定する「別に厚生労働大臣が定める状態」においては、「難病の患者に対する医療等に関する法律第五条第一項に規定する指定難病」

    と規定されている。

    これらについて、いずれも病名及び重症度が「特定医療費の支給認定に係る基準」を満たすことを患者が受診する保険医療機関の医師が診断したが、受給者証の交付を受けていない場合も、対象に含まれるか。

    また、小児慢性特定疾病については、区分番号「B0015」小児科療養指導料において、「児童福祉法第6条の2第1項に規定する小児慢性特定疾病(同条第2項に規定する小児慢性特定疾病医療支援の対象に相当する状態のものに限る。)」とあるが、これについても同様か。

  5. いずれも、医師が、病名及び重症度が基準を満たすことを客観的な根拠とともに医学的に明確に診断できる場合には含まれる。
    H28.06.14(その4)-4