救急医療管理加算 – 令和4年度診療報酬改定
告示
救急医療管理加算(1日につき)
- 救急医療管理加算は、地域における救急医療体制の計画的な整備のため、入院可能な診療応需の態勢を確保する保険医療機関であって、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、当該態勢を確保している日に救急医療を受け、緊急に入院を必要とする重症患者として入院した患者(第1節の入院基本料(特別入院基本料等を含む。)又は第3節の特定入院料のうち、救急医療管理加算を算定できるものを現に算定している患者に限る。)について、当該患者の状態に従い、入院した日から起算して7日を限度として所定点数に加算する。
- 救急医療管理加算を算定する患者が6歳未満である場合には、乳幼児加算として、400点を更に所定点数に加算する。
- 救急医療管理加算を算定する患者が6歳以上15歳未満である場合には、小児加算として、200点を更に所定点数に加算する。
通知
- 救急医療管理加算は、緊急に入院を必要とする重症患者に対して救急医療が行われた場合に、入院した日から起算して7日に限り算定できる。なお、ここでいう入院した日とは、第2部通則5に規定する起算日のことをいい、入院期間が通算される入院の初日のことをいう。
- 救急医療管理加算1の対象となる患者は、次に掲げる状態のうちアからサのいずれかの状態にあって、医師が診察等の結果、緊急に入院が必要であると認めた重症患者をいう。
なお、当該加算は、入院時において当該重症患者の状態であれば算定できるものであり、当該加算の算定期間中において継続して当該状態でなくても算定できる。
- 吐血、喀血又は重篤な脱水で全身状態不良の状態
- 意識障害又は昏睡
- 呼吸不全又は心不全で重篤な状態
- 急性薬物中毒
- ショック
- 重篤な代謝障害(肝不全、腎不全、重症糖尿病等)
- 広範囲熱傷、顔面熱傷又は気道熱傷
- 外傷、破傷風等で重篤な状態
- 緊急手術、緊急カテーテル治療・検査又はt-PA 療法を必要とする状態
- 消化器疾患で緊急処置を必要とする重篤な状態
- 蘇生術を必要とする重篤な状態
- その他の重症な状態
- 救急医療管理加算2の対象となる患者は、(2)のアからサまでに準ずる状態又はシの状態にあって、医師が診察等の結果、緊急に入院が必要であると認めた重症患者をいう。なお、当該加算は、患者が入院時において当該重症患者の状態であれば算定できるものであり、当該加算の算定期間中において継続して当該状態でなくても算定できる。
- 救急医療管理加算1を算定する場合は、以下の内容について、診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。
- (2)のアからサまでのうち該当する状態
- (2)のイ、ウ、オ、カ又はキの状態に該当する場合は、それぞれの入院時の状態に係る指標
- 当該重症な状態に対して、入院後3日以内に実施した検査、画像診断、処置又は手術のうち主要なもの
- 重症患者の状態のうち、(2)のイに掲げる状態であってJCS(Japan Coma Scale)0の状態、(2)のウに掲げる状態であってNYHAⅠ度若しくはP/F比400以上の状態、又は(2)のキに掲げる状態(顔面熱傷若しくは気道熱傷を除く。)であってBurn Index0の状態について、緊急入院が必要であると判断した医学的根拠
- 救急医療管理加算2を算定する場合は、以下の内容について、診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。
- (2)のアからサまでに準ずる状態又はシの状態として該当するもの
- (2)のイ、ウ、オ、カ又はキに準ずる状態に該当する場合は、それぞれの入院時の状態に係る指標
- 当該重症な状態に対して、入院後3日以内に実施した検査、画像診断、処置又は手術のうち主要なもの
- 重症患者の状態のうち、(2)のイに掲げる状態に準ずる状態であってJCS(Japan Coma Scale)0の状態、(2)のウに掲げる状態に準ずる状態であってNYHAⅠ度若しくはP/F比400以上の状態、又は(2)のキに掲げる状態に準ずる状態(顔面熱傷若しくは気道熱傷を除く。)であってBurn Index0の状態について、緊急入院が必要であると判断した医学的根拠
- 都道府県知事又は指定都市市長の指定する精神科救急医療施設において、緊急に入院を必要とする重症患者(精神疾患であり、入院させなければ医療及び保護を図る上で支障のある状態)に対して救急医療が行われた場合にも算定できる。ただし、精神科応急入院施設管理加算又は精神科措置入院診療加算を算定した患者については算定できない。なお、精神科救急医療施設の運営については、「精神科救急医療体制整備事業の実施について」(平成20年5月26日障発第0526001号)に従い実施されたい。
- 加算の起算日となる入院日については、夜間又は休日において入院治療を必要とする重症患者に対して救急医療を提供した日(午前0時から午後12時まで)であって、その旨を地域の行政部門、医師会等の医療関係者及び救急搬送機関等にあらかじめ周知している日(あらかじめ定められた当番日以外の日でもよい。)とする。また、午前0時をまたいで夜間救急医療を提供する場合においては、夜間の救急医療を行った前後2日間とする。なお、当該加算の起算日に行う夜間又は休日の救急医療にあっては、第二次救急医療施設として必要な診療機能及び専用病床を確保するとともに、診療体制として通常の当直体制のほかに重症救急患者の受入れに対応できる医師等を始めとする医療従事者を確保していることとする。
- 「注2」に規定する乳幼児加算は、6歳未満の緊急に入院を必要とする重症患者に対して救急医療が行われた場合に7日を限度として算定する。
- 「注3」に規定する小児加算は、6歳以上15歳未満の緊急に入院を必要とする重症患者に対して救急医療が行われた場合に7日を限度として算定する。
事務連絡
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緊急に入院が必要であると認めた患者のうち、入院後に悪化の可能性が存在する患者については、救急医療管理加算2の対象患者である「その他「ア」から「ケ」に準ずるような重篤な患者」に該当するのか。
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該当しない。当該加算は入院時に重篤な状態の患者に対して算定するものであり、入院後に悪化の可能性が存在する患者については対象とならない。H26.03.31(その1)-27
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留意事項通知(5)に規定されている「都道府県知事の指定する精神科救急医療施設において、緊急に入院を必要とする重症患者(精神疾患であり、入院させなければ医療及び保護を図る上で支障のある状態)」の場合は、今回の改定により区分された救急医療管理加算「1」、「2」いずれで算定する扱いか。
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患者の状態による。H26.04.10(その3)-10
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救急医療管理加算における「緊急カテーテル治療・検査」について、緊急の消化器出血に対する経カテーテル的止血術も含まれるか。
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含まれる。H28.03.31(その1)-41
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A205救急医療管理加算において、緊急に入院が必要であると認めた患者のうち、「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」(平成24年3月5日保医発0305第1号)に規定する、ア~ケのいずれの患者像にも当てはまらない場合、例えば手術を要するが2、3日後の予定手術で治療可能な患者は、コ「その他「ア」から「ケ」に準ずるような重篤な患者」に該当するのか。
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該当しない。H24.08.09(その8)-4
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区分番号「A205」救急医療管理加算の対象患者の状態について、「消化器疾患で緊急処置を必要とする重篤な状態」とあるが、具体的にはどのような処置を指すのか。
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現時点では、区分番号「J034」イレウス用ロングチューブ挿入法、区分番号「J034-3」内視鏡的結腸軸捻転解除術を指す。R4.03.31(その1)-66
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区分番号「A249」精神科急性期医師配置加算、区分番号「A311」精神科救急入院料、区分番号「A311-2」精神科急性期治療病棟入院料又は区分番号「A311-3」精神科救急・合併症入院料について、「クロザピンを新規に導入する」とは、当該病棟においてクロザピンを新規に投与開始したことを指すのか。
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そのとおり。R2.03.31(その1)-41
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救急医療管理加算・乳幼児救急医療管理加算は、緊急用の自動車等で搬送された患者以外についても、緊急に入院を必要とする重症患者であれば算定可能できるのか。
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算定できる。H22.03.29(その1)-37-2
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救急医療管理加算・乳幼児救急医療管理加算の「加算の対象となる時間」の要件がなくなったが、他の要件を満たし、起算日内であれば、何時でも算定できるということか。
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その通り。H18.03.31(その3)-7
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医療機関を退院後に再入院し、入院基本料の起算日が変わらない場合は救急医療管理加算・乳幼児救急医療管理加算は算定できるか。
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入院期間を通算して7日まで算定できる。H18.04.28(その5)-9